六華ゼミ最終回を開催しました

すっかり雪景色となった12月14日(金)、最終回となる六華ゼミ第10回を開催しました。

最後を飾る講師は、静岡県から駆けつけてくれた木村暁・国立遺伝学研究所教授です。

125名の参加者に、理系の研究者がまず伝えた言葉は四字熟語(禅語)でした。

「晬啄同時」(そったくどうじ)・・・ひなが卵の殻から出る時、親鳥がタイミングを合わせて殻をつつき、ひなを助ける様子を表す言葉です。木村さんは、自分自身が高校時代に職業を決めていなかったことを引いて「進路の選択を焦らず、時期が来るのを待ってもよいと思う」と読んでくれました。

今回の六華ゼミのために、木村さんは札幌南高の佐藤先生と打ち合わせして、顕微鏡をセットしてもらっていました。見せたいのは、研究に使う線虫。在校生に協力してもらって手元の様子をスクリーンに映しながら、実験を始めました。

線虫を切った時には悲鳴が、受精と細胞分裂の場面には歓声があがります。

木村さんは「細胞建築学」を標榜して、「細胞の形状や配置の原動力」いわば「建築家のいない建築」を研究しています。研究者のいいところは、

・自由・・・アイディア勝負。若くしてリーダー

・考える喜び・・・作戦を練って自然に挑戦する。「釣り」

・創る喜び・・・「論文=作品」、映画監督、小説家。

・世界が舞台・・・「日本代表」、世界にライバル・友人 ・・・とのこと。

「科学の世界、わかっているところはわかっているが、まだ全然わかっていないことがたくさんある」ので、今後は遺伝学と物理学を結びつける研究が大事になってくるそうです。

「職業の決め方について思うのは、夢に向かって一直線に行く人と行かない人がいること。

目標が決まっている人は知る限りでのトップに学ぶとよいし、決まっていない人は周囲の期待に耳を傾けてもよいと思う」と伝えてくれました。


6月から12月までお送りした2018年の六華ゼミ。幹事期(南43期)の多様なメンバーから、いろいろな仕事・生き方についてのお話をさせていただきました。

全10回、延べ1,031名の参加者(在校生)のみなさんからは、職業の中身はもとより、講師役の生き方・人生の選択についての感想を多数いただいたことが印象的でした。

至らないところも多々あった六華ゼミと思いますが、在校生が「自分らしい生き方」を選んでいく参考にしていただければ幸いです。

これで六華同窓会2018実行委員会(南43期)の活動もすべて終了です。

お付き合いいただきありがとうございました!